Laravelルーティングの基本とよく使われるルーティングパターン
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Laravel でコントローラはじめ、何かの機能を作成したら、そこへのアクセスを制御するにはどうしたらよいでしょうか?
Laravel では、ブラウザからの URL アクセスや API によるアクセスに対してのルーティングを設定するファイルがあります。
今回は、Laravel のルーティングの基本と、よく使われるルーティングを見ていきます。
Contents
- 環境
- ルーティングファイル
- ルート定義メソッド
- クロージャによるルーティング
- コントローラへのルーティング
- ビューへのルーティング
- リダイレクト
- 名前付きルート
- ミドルウェア
- ルーティングのグループ化
環境
- PHP 7.2
- Laravel 5.3 〜 5.7
Laravel のルートディレクトリを「laravel/」としています。
ルーティングファイル
Laravel で通常のブラウザからの HTTP リクエストに対するルーティング設定を行う場合は laravel/routes/web.php で行います。
- laravel/routes/web.php
-
<?php Route::get('/', function () { return view('welcome'); });
デフォルトでは1つのルーティングのみが設定されています。このルーティングは、Laravel のウェルカムページ(インストール後にブラウザからアクセスして表示されるページ)のルーティングになります。
また一方で、API 通信などをルーティングする際は laravel/routes/api.php で行います。
両者の最も大きな違いは、適用されるミドルウェアが違う事です。 laravel/routes/web.php は、主にクライアント操作で起こるリクエスト(リンクを押下して画面遷移する・フォームを送信するなど)でのルーティングを行うので、CSRF 対策やセッション関係などのミドルウェアがデフォルトでは適用されますが、api.php の方はもっとミニマムなミドルウェアが適用されます。
もちろん、両者のミドルウェア設定は変更可能です。
今回は基本的なルーティングを行うので、web.php を編集していきます。
ルート定義メソッド
ルーティングには Route ファサードを使いますが、HTTP リクエストに対して定義できるメソッドの基本項目は以下になります。
Route::get($uri, $callback);
Route::post($uri, $callback);
Route::put($uri, $callback);
Route::patch($uri, $callback);
Route::delete($uri, $callback);
Route::options($uri, $callback);
上から解説します。
Route::get($uri, $callback);
GET リクエストに対してのルーティングを定義します。主に通常の URL遷移やフォームの GET リクエストに対して用います。
Route::post($uri, $callback);
POST リクエストに対してのルーティングを定義します。主にフォームの POST リクエストに対して用いられます。
Route::put($uri, $callback);
put リクエストに対してのルーティングを定義します。
Route::patch($uri, $callback);
patch リクエストに対してのルーティングを定義します。
Route::delete($uri, $callback);
delete リクエストに対してのルーティングを定義します。
Route::options($uri, $callback);
options リクエストに対してのルーティングを定義します。
put/patch/delete/options メソッドに関しては REST API などを作成する時に使われたりしますが、基本的に使用するのは GET と POST メソッドがほとんどです。
また、post() put() delete() メソッドを用いる際は、送信元から CSRF トークンフィールドを渡す必要があります。
クロージャによるルーティング
ルーティングメソッドの最も基本的なものは、コールバックをクロージャで定義する事です。
Route::get('sample/route', function () {
return 'PHP Framework Laravel Routing!!';
});
上記を設定したら、ブラウザから http://YOUR-DOMAIN/sample/route へアクセスしてみてください。「PHP Framework Laravel Routing!!」という文字列がブラウザに表示されます。
上記のルーティングは、間にコントローラもビューも挟まずに、ただ文字列だけを返す、最もシンプルな形になります。
例えばちょっとした処理を確認したりする場合にはこういった書き方をしてサクッと動作を確認したりに使う事も出来ます。
Route::get('sample/route/1', function () {
$result = 5 * 20;
return $result;
});
例えば上記のような場合は、単純に掛け算を行ってそれを表示します。ブラウザからアクセスすると、「100 」と表示されます。
コントローラへのルーティング
ブラウザからどの URL にアクセスした時に、どのコントローラへ処理を渡すかを設定します。コントローラへのルーティングは、以下のように記述します。
- laravel/routes/web.php
-
Route::get('sample', 'SampleController@index');
この場合は、ブラウザから http://YOUR-DOMAIN/sample にアクセスすると、SampleController の index() メソッドへ処理を渡す。という事になります。
例えば以下の場合では
Route::get('sample/members/1', 'SampleController@member');
ブラウザから http://YOUR-DOMAIN/sample/members/1 にアクセスすると、SampleController の member() メソッドへ処理を渡す。という事になります。
URL からパラメータを取得する
URL からコントローラ側へパラメータを渡したい時は以下のように記述します。
- laravel/routes/web.php
-
Route::get('sample/members/{member_id}', 'SampleController@member');
例えば上記のように {member_id} と記述すると、コントローラ側で変数 $member_id としてパラメータを取得する事が出来ます。コントローラ側では以下のようにして取得できます。
- laravel/app/Http/Controllers/SampleController.php
-
<?php namespace App\Http\Controllers; use Illuminate\Http\Request; class SampleController extends Controller { public function member($member_id) { print_r($member_id); } }
もちろん、これはいくつでも設定できます。
Route::get('sample/members/{member_id}/group/{group}/type/{type}', 'SampleController@member');
コントローラでは以下のようにして取得できます。
<?php
namespace App\Http\Controllers;
use Illuminate\Http\Request;
class SampleController extends Controller
{
public function member($member_id, $group, $type)
{
$params = [
'member_id' => $member_id,
'group' => $group,
'type' => $type,
];
print_r($params);
=> Array
(
[member_id] => 12
[group] => 1-2
[type] => student
)
}
}
尚、上記の設定の場合はパラメータ部分は必ず渡されなければなりません。例えば、member_id のみを渡すルーティングの場合で、http://YOUR-DOMAIN/sample/members/ の場合は例外(404)がスローされます。
パラメータなしを許容する
パラメータ部分について、入力を任意のものとしたい(パラメータが無くても許容する)場合は以下のように記述します。
Route::get('sample/members/{member_id?}', 'SampleController@member');
{member_id?} とする(末尾にクエスチョンマーク「?」を付ける)事で、パラメータが無くても許容されます。
もちろん、この場合はコントローラ側でパラメータが無い場合の処理も漏れずに記述しましょう。
パラメータの値に制約を設ける
URL からパラメータを受け取るとして、その全てが許容されていると、入力値の評価をいちいちコントローラ側で行わなくてはならなくなります。 URL は誰にでも変更できるものなので攻撃の対象にもなりやすく、受け取るパラメータは出来るだけコントローラに渡す前に評価しておきたいものです。
そんな場合は以下のようにする事で、コントローラへ渡すパラメータ値をルーティングの時点で評価する(制限を設ける)事が出来ます。
Route::get('sample/members/{member_id}', 'SampleController@member')
->where('member_id', '[0-9]+');
この場合は、パラメータとしてコントローラに渡される member_id は、数字の連続のみ受け付けるという制約が設定されます。それ以外、例えば文字列などが渡された場合は例外(404)がスローされます。
複数のパラメータに対して制約を設ける場合は、配列で渡します。
Route::get('sample/members/{member_id}/group/{group}/type/{type}', 'SampleController@member')
->where([
'member_id' => '[0-9]+',
'group' => '[A-Za-z]+',
'type' => '[0-9]{2}'
]);
また、たくさんの制限を設ける必要がある場合に、その全てをルーティングに記述するとルーティングファイルが煩雑になります。それを好まない場合は、ルーティングのサービスプロパイダに制約を定義する事が出来ます。
- laravel/app/Providers/RouteServiceProvider.php
-
public function boot() { Route::pattern('member_id', '[0-9]+'); Route::pattern('group', '[A-Za-z]+'); Route::pattern('type', '[0-9]{2}'); parent::boot(); }
boot() メソッド内にて、Route ファサードの pattern() メソッドでそれぞれの制約を定義します。
こうする事で、ルーティング時に記述したパラメータ指定に関しての全てにこのルールが適用される({id}と書くと id プロパティの制約が適用される)ので、ルーティングにいちいち制約を記述しなくて良くなります。
ビューへのルーティング
コントローラではなくビューへルーティングを行いたい場合は view() メソッドで設定します。
Route::view('sample/view', 'sampleview');
上記の場合、コントローラは経由せずに、直接ビューへのルーティングが行われます。
ビューへ値を渡したい場合は、第二引数へ配列で渡します。
Route::view('sample/view', 'sampleview', ['number' => 123456789]);
リダイレクト
ルーティング内でリダイレクトを行う場合は、redirect() メソッドを用いて以下のように記述します。
Route::redirect('/sample/from', '/sample/to', 301);
上記の場合、http://YOUR-DOMAIN/sample/from へのアクセスに対して http://YOUR-DOMAIN/sample/to へ 301 リダイレクトを行います。
名前付きルート
ルーティングに名前を付ける事ができます。名前をつけると、設定したルート名のみを指定し処理を書けば良くなるので便利です。
Route::get('sample', 'SampleController@index')->name('sample');
リダイレクト
例えば以下のようなルーティングがあったとします。
Route::get('sample/from', 'SampleController@from');
Route::get('sample/to', 'SampleController@to')->name('to');
to() メソッドへのルーティングに対してルート名「to 」を設定しています。
その場合、コントローラ側ではリダイレクトを以下のように記述できます。
<?php
namespace App\Http\Controllers;
use Illuminate\Http\Request;
class SampleController extends Controller
{
public function from()
{
// ルート名「to」へリダイレクト
return redirect()->route('to');
}
public function to()
{
print_r('リダイレクト');
}
}
この例では、from から to へ名前付きルートでリダイレクトが行われます。
URL の生成
ルート名を使って URL を作成できます。
public function from()
{
$url = route('to');
print_r($url);
=> http://YOUR-DOMAIN/sample/to
}
ミドルウェア
あるルーティングに対して何らかのミドルウェアを適用させる場合は、以下のように記述します。
Route::get('sample', 'SampleController@index')->middleware('html.minify');
上記は、指定のルーティングに対して、HTML を minify するミドルウェアを指定している例になります。
ルーティングのグループ化
ルーティングの際にミドルウェアを適用させたいページがあるとして、それらが複数ページに及ぶ場合(同じミドルウェアを複数のルーティングに挿したい)があります。その時は、それらのルーティングをグループ化し、ミドルウェアを指定する事で、設定をまとめて行えます。
Route::group(['middleware' => 'basic_auth', 'prefix' => ''], function() {
Route::get('/login', 'LoginController@index')->name('login');
Route::get('/members/list', 'MemberController@index')->name('member');
Route::get('/members/add', 'MemberController@add');
Route::get('/members/edit', 'MemberController@edit');
});
上記は、ログインページと、ログイン認証を必要とするページ全てに、Basic認証をかけるミドルウェアを適用させる場合の記述例です。
このように、group() メソッドを用いてミドルウェアを指定し、対象のルーティングをコールバックでラップする事で設定を行う事が出来ます。
Route::middleware('basic_auth')->group(function () {
Route::get('/login', 'LoginController@index')->name('login');
Route::get('/members/list', 'MemberController@index')->name('member');
Route::get('/members/add', 'MemberController@add');
Route::get('/members/edit', 'MemberController@edit');
});
こちらはミドルウェアの設定先に対してグループを指定しているので、前者と後者の例は指定が逆になっているだけで、同じ意味になります。
まとめ
今回触れた部分はほんの基礎部分であり、ルーティングはまだまだたくさんの使い方があります。使いこなせるようになると複雑なルーティングも実現できるようになります。
また、通常ならばコントローラで行っていたような事も、実はルーティングで設定してまえば簡単に処理の流れが実現出来てしまう事などもあるので、上手く使いこなしてみてください。