PHPフレームワークLaravelのインストール入門編
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- カテゴリ: PHP Laravel
- タグ: PHP,Laravel,composer,install,5.5,Beginner,5.6,5.7
Laravelのインストールを行います。今や世界でも人気ナンバーワンとなったPHPフレームワークですが、半年に1度メジャーアップデートが行われており、活発に開発が進んでいます。
このページでは、Laravelのインストールについて継続的に更新していくので、バージョンが上がる毎に最新の情報を追加していきます。
尚、本記事ではLaravel 5.8/5.7/5.6/5.5のインストール方法を紹介しています。
- アジェンダ
検証環境
Laravelのインストール作業を行う為の環境は以下の通りです。
- ver 5.8/5.7/5.6/5.5
-
- Linux CentOS 7
- apache 2.4
- PHP 7.2/7.1
Laravelについて
インストールはいわゆる入門編、最初の一歩という事でまずは以下おさらいです。
- Laravel 公式サイト[日本]
- http://laravel.jp
- Laravel とは?(以下引用)
-
- Laravel は、MVCのWebアプリケーション開発用の無料・オープンソースのPHPで書かれたWebアプリケーションフレームワークである。LaravelはMITライセンスの下でリリースされており、そのソースコードはGitHubにホスティングされている。マイクロソフトの.NETの開発に関わっていたTaylor Otwell が開発した。
- githubでのスター獲得数がPHPフレームワークの中で最も多いなど、人気のフレームワークの1つとなっている。
- Laravelの名前は『ナルニア国物語』に登場するナルニア国の王都、ケア・パラベルにちなむ。
引用 - Wikipedia「Laravel」
Laravelの歴史
このページで掲載しているバージョンについて当時のLaravelの立ち位置など記録しています。
- ver 5.8
- 2019年2月26日リリース。Laravelはもはや不動の人気No1PHPフレームワークとなりました。同年2/26に日本初の大規模カンファレンスLaravel JP Conferenceも開催されました。
- ver 5.7
- 2018年9月4日リリース。Laravel人気はさらに上昇傾向。大きなイベントなどの催しも増えてきました。
- ver 5.6
- 2018年2月7日リリース。この頃は検索数がRailsを抜きました。
- ver 5.5
- 2017年8月リリース。5.5はLTS(=long term support)という事で、前回のLTSである5.1(2015/6)からおよそ2年ぶりのLTSリリースとなりました。この頃から、PHPフレームワークの検索数ではトップになりました。
サーバ要件を確認する
Laravelをインストールする為には、サーバのミドルウェアが要件を満たしていないといけません。
各バージョンごとのサーバ要件は以下の通りです。
- Laravel 5.8/5.7
- PHP >= 7.1.3
- OpenSSL PHP Extension
- PDO PHP Extension
- Mbstring PHP Extension
- Tokenizer PHP Extension
- XML PHP Extension
- Ctype PHP Extension
- JSON PHP Extension
- BCMath PHP Extension
- Laravel 5.6
- PHP >= 7.1.3
- OpenSSL PHP Extension
- PDO PHP Extension
- Mbstring PHP Extension
- Tokenizer PHP Extension
- XML PHP Extension
- Ctype PHP Extension
- JSON PHP Extension
- Laravel 5.5
-
- PHP >= 7.0.0
- OpenSSL PHP Extension
- PDO PHP Extension
- Mbstring PHP Extension
- Tokenizer PHP Extension
- XML PHP Extension
ExtensionはPHPの拡張モジュールになります。拡張モジュールというのは、C言語で書かれたPHPの特定の機能を提供するモジュールの事です。機能をモジュール化する事でコアソースから分離させ、必要に応じてそれらを組み込んで使う事でPHP自体のソースの肥大化を防いでいます。
[php.net]拡張モジュールの一覧/分類
という事で、簡単にまとめると
- PHPのバージョンが指定以上である事
- 指定のPHP拡張モジュールが入っている事
上記2点を満たす事でインストールが可能になります。
PHPのバージョンを調べるには、以下のコマンドを叩きます。
# PHPのバージョンを確認する
php -v
# 実行結果
[demo@localhost ~]$ php -v
PHP 7.2.2 (cli) (built: Jan 30 2018 13:44:49) ( NTS )
Copyright (c) 1997-2018 The PHP Group
Zend Engine v3.2.0, Copyright (c) 1998-2018 Zend Technologies
with Zend OPcache v7.2.2, Copyright (c) 1999-2018, by Zend Technologies
with Xdebug v2.6.0, Copyright (c) 2002-2018, by Derick Rethans
該当のPHP拡張が入っているか確認するには、以下のコマンドを叩きます。
- ver 5.8/5.7
-
# PHPのエクステンションを確認
php -m | grep -e openssl -e PDO -e mbstring -e tokenizer -e ^xml$ -e ctype -e json -e bcmath
# 実行結果
[demo@localhost ~]$ php -m | grep -e openssl -e PDO -e mbstring -e tokenizer -e ^xml$ -e ctype -e json -e bcmath
bcmath
ctype
json
mbstring
openssl
PDO
tokenizer
xml - ver 5.6
-
# PHPのエクステンションを確認
php -m | grep -e openssl -e PDO -e mbstring -e tokenizer -e ^xml$ -e ctype -e json
# 実行結果
[demo@localhost ~]$ php -m | grep -e openssl -e PDO -e mbstring -e tokenizer -e ^xml$ -e ctype -e json
ctype
json
mbstring
openssl
PDO
tokenizer
xml - ver 5.5
-
# PHP拡張「OpenSSL」「PDO」「Mbstring」「Tokenizer」「XML」が入っているか確認
php -m | grep -e openssl -e PDO -e mbstring -e tokenizer -e xml
# 実行結果
[demo@localhost ~]# php -m | grep -e openssl -e PDO -e mbstring -e tokenizer -e ^xml$
mbstring
openssl
PDO
tokenizer
xml
指定のExtensionが入っていれば表示されます。不足している場合はそれぞれの環境に合わせてインストールします。
Composerインストール
Laravelは基本的にcomposerでインストールするので、まずはcomposerをインストールします。ちなみにこのセクションは、Laravelのバージョン関係なく共通の作業手順で行えます。
yumコマンドでインストール
linux環境の場合は、yumコマンドでインストールできます。
# yumコマンドでcomposerをインストール
yum -y install composer
ソースからインストール
もしyumコマンドでインストール出来ない(途中で止まってしまう)場合などは、以下のコマンドでインストールすると確実です。自分でダウンロードしてインストールする方法です。
# tmpディレクトリへ移動
cd /tmp
# composerのインストーラーをダウンロードする
curl -sS https://getcomposer.org/installer | php
# composerを移動させる
mv /tmp/composer.phar /usr/local/bin/composer
Windows&XAMPP環境の場合
Windows&XAMPP環境の場合は上記手段が取れないので、公式サイトからインストーラをダウンロードしてきてインストールします。
https://getcomposer.org/download/
ソフトをインストールする感じで普通に実行すれば入ります。
ちなみに、もし使用するPHPを選択しろと言われたら、XAMPPの中のPHP(C:\xampp\php\php.exe)を指定します。
インストールが終わったら、以下のcomposerコマンドで、composerがインストールされた事を確認します。バージョン確認のコマンドを叩き、バージョンが表示されればインストールは成功です。
# composerがインストールされているか確認
composer -v
# 実行結果
[demo@localhost ~]# composer -v
______
/ ____/___ ____ ___ ____ ____ ________ _____
/ / / __ \/ __ `__ \/ __ \/ __ \/ ___/ _ \/ ___/
/ /___/ /_/ / / / / / / /_/ / /_/ (__ ) __/ /
\____/\____/_/ /_/ /_/ .___/\____/____/\___/_/
/_/
Composer version 1.5.5 2018-00-00 00:00:00
上記のような表示が出たらcomposerのインストールは完了です。composerの場合は上記のように結構ド派手なアスキーアートが出るのでわかりやすいです。
Laravelインストール
それでは下準備も終わったので、早速Laravelのインストールを行います。インストールには「laravelコマンド」または「composerコマンド」の2通りの方法で行う事が出来ます。
laravelコマンドでのインストール
laravelコマンドを使えるようにするためにインストーラを設定します。以下のコマンドを叩きます。
# ディレクトリ移動
cd /root/.config/composer
# Composerを使用し、Laravelインストーラをダウンロード
composer global require "laravel/installer"
# パスを通す
export PATH="~/.config/composer/vendor/bin:$PATH"
次に、プロジェクトを作成します。ここでコマンドを叩くと、実際にLaravelのソースが下りてくるので、インストールしたい場所へ移動してから、以下のコマンドを叩きます。
(「project_name」の部分は任意の名前に変えてください)
ちなみに、laravelコマンドでプロジェクト作成を行った場合は、最新のバージョンがインストールされます。
# laravelをインストールしたい場所へ移動する
cd /path/to/projrct_root
# laravelプロジェクトを作成する
laravel new project_name
composerコマンドでのインストール
もしlaravelコマンドが動作しない、もしくは最新ではない任意のバージョンのLaravelをインストールしたい場合は、composerコマンドからLaravelのインストールを行います。
(「project_name」の部分は任意の名前に変えてください)
- Laravel5.8をインストール
-
# composerコマンドからlaravelプロジェクトを作成する
composer create-project laravel/laravel --prefer-dist project_name 5.8 - Laravel5.7をインストール
-
# composerコマンドからlaravelプロジェクトを作成する
composer create-project laravel/laravel --prefer-dist project_name 5.7 - Laravel5.6をインストール
-
# composerコマンドからlaravelプロジェクトを作成する
composer create-project laravel/laravel --prefer-dist project_name 5.6 - Laravel5.5をインストール
-
# composerコマンドからlaravelプロジェクトを作成する
composer create-project laravel/laravel --prefer-dist project_name 5.5
パーミッションの変更
インストールが完了したら、キャッシュやログ系などのディレクトリのパーミッションを変更します。
以下の通り、laravelディレクトリへ移動し、chmodコマンドを叩きます。
# laravelディレクトリへ移動
cd /path/to/project_root/laravel
# storageのパーミッションを変更
chmod -R 777 storage
# bootstrap/cacheのパーミッションを変更
chmod -R 777 bootstrap/cache
これでインストール作業は完了です。実際にブラウザからアクセスしてみましょう。
Laravelのwelcomeページが表示されたら、インストールは完了です。
おめでとうございます!Laravelの世界へようこそ!