AWS請求情報の設定(CloudWatch、コストエクスプローラ、現地通貨設定など)
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- カテゴリ: AWS
- タグ: AWS,IAM,CloudWatch
AWSは従量課金制なので、使った分だけ課金され、クレジットカード決済にて請求がかかるわけですが、 思わぬところで予想外の請求がかかったりすることもないわけではありません。 ましてや、無料利用枠で運用しようと考えている場合は余計に課金に対してはシビアになるでしょう。 今回は、そんな不安要素を最大限払拭できるように、予め設定を行います。 手順としては、以下になります。
それでは始めましょう。
管理用IAMユーザへの請求情報のアクセス許可
管理用のIAMユーザ作成とMFAの導入 で、管理用IAMユーザを作成しましたが、現状のままだと請求情報へはアクセスできないので、アクセス権限を付与しておきます。
まずはアカウント設定を開きます。
右上のユーザ名のリンクを叩きメニューを開いたら、一番上にある「アカウント」をクリックします。
アカウント設定ページへ移動したら下にスクロールしていくと 「IAM ユーザー/ロールによる請求情報へのアクセス編集」 という部分がありますので、その右側にある「編集」のリンクをクリックしましょう。
すぐ下に設定項目が表示されるので、「IAMアクセスのアクティブ化」にチェックを入れて、「更新」ボタンをクリックします。
「更新」ボタンが「更新中」になるのでしばらく待つと設定が完了します。 「IAM ユーザー/ロールによる請求情報へのアクセスは有効になっています。」 と表示されれば設定は完了です。
請求情報とコスト管理の設定
無料枠があろうがなかろうが、従量課金制&クレジットカード決済である以上、予想外の課金には目を光らせておきたいものです。
なのでここは、CloudWatchと連携して予期せぬ課金を検知できるようにしておきます。
ちなみにこの「Amazon CloudWatch」ですが、無料利用枠で使う事が出来ます。(2018年11月現在)
小規模な構成なら問題なく無料枠内で使用する事が出来ますので、設定しておきます。
まあもし数ドル程度かかったとしても、それで途方もない請求を未然に防ぐ事が出来るのですから、安いものですよね。
それでも心配な人は、
Amazon CloudWatch 無料利用枠
から、最新情報を確認してください。
まずはここもアカウント設定を開きます。
右上のユーザ名のリンクを叩きメニューを開いたら、一番上にある「アカウント」をクリックします。
ページが切り替わったら、左側のナビゲーションから、「設定」のリンクをクリックします。
設定のページが開きますので、 「電子メールで PDF 版請求書を受け取る」と「請求アラートを受け取る」 にチェックを入れて、「設定の保存」ボタンをクリックします。
- 電子メールで PDF 版請求書を受け取る
- 説明にある通り、PDFの請求書をメールで受け取れます。ここはひとまず受け取る設定にしておけば間違いないので有効にしておきます。
- 請求アラートを受け取る
- 今回の設定ではここを有効にするのが肝です。ここを有効にしておく事で、 AWSの利用料金を監視する設定を行う事が出来ます。
「設定を保存しました」という表示が出たら、ここでの設定は完了です
次の項で具体的な設定をしていきます。
CloudWatchで請求情報のアラームを作成
「請求アラートを受け取る」を設定すると、任意の金額に達したタイミングで通知する設定が可能になります。
まずは、CloudWatchを開きます。
左上の「サービス」からサービス一覧を開いたら、「管理ツール」にある「CloudWatch」をクリックします。
ここで、リージョンが初期設定のままの場合は「オハイオ」になっていると思いますが、 2018年11月現在では「米国東部 (バージニア北部)」でしかCloudWatchを設定できないので、 リージョンを「米国東部 (バージニア北部)」に変更します。
リージョンを変更したら、左側のナビゲーションから「請求」をクリック
そして、「アラームの作成」ボタンをクリックします。
請求アラームの設定画面が表示されますので、 通知のしきい値となる金額と通知先のメールアドレスを入力して、「アラームの作成」ボタンをクリックします。
「アラームの作成」ボタンをクリックするとすぐに、入力したメールアドレスへ 「AWS Notification - Subscription Confirmation」 という件名のメールが届きますので、確認して承認しましょう。
承認が終われば、無事に設定は完了です。
コストエクスプローラーの有効化
課金情報がグラフィカルに表示されるので見やすくなります。こちらも有効にしておきます。
まずはアカウント設定を開きます。
右上のユーザ名のリンクを叩きメニューを開いたら、一番上にある「アカウント」をクリックします。
アカウント設定に移動したら、左側のナビゲーションにある「コストエクスプローラー」をクリックします。
コストエクスプローラーのページへ遷移したら、「コストエクスプローラーを有効化」ボタンをクリックします。
「お客様のアカウントの使用量データは取得中です」
の表示が出たら、設定は完了です。
EC2やRDSなどのインスタンスを起動させていてもいなくても、 データ取得から、表示まではおおよそ24時間程度かかるので、次の日にでも見てみてください。
現地通貨設定
「AWSはドル建ての支払い…」
と諦めてはいないでしょうか?実は、日本円での請求にも対応しています。
しかし、それには制約があって、
登録したクレジットカードが「VISA」もしくは「MaterCard」の時のみ
という事になっています。
「どうしても日本円での請求がいい!」
と考える人は以下に手順を記しますので、設定してみてください。
- アカウント設定を開く
- 下にスクロールして、「現地通貨設定」の横にある「編集」リンクをクリック
- お支払通貨の選択で「JPY - Japanese Yen」を選択し、「更新」ボタンをクリック
- Payment Currency Terms and Conditionsウィンドウが出てくるので、内容を確認して「Accept」ボタンをクリック
おつかれさまでした。
いかがでしたでしょうか?以上で初期設定として最低限の請求設定は完了です。
これからEC2やRDS、ELBやS3なんかを立てて運用していく中で、ついコスト監視は怠りがちです。
でも我々の目的はAWSの管理ではなく、
あくまでもその上に立てるアプリケーションであったりサービスなのですから、仕方ありません。
とはいえ、後で泣きを見ないためにも、最初にこうしてしっかりと設定を行っておく事は大切だと思います。